開発秘話

ロクワットシャンプー誕生秘話

平成16年兵庫県理容組合理事長室でのこと。

兵庫県理容組合、品川理事長が私に

「業界の若い人達が手荒れを理由に業界を去って行く。どうにかならないのか。人材不足は業界全体の損失になるので、組合として対応を考える必要がある。まずは手荒れを防ぐシャンプーを作れないか?」

という提案を唐突にいただいたところから、シャンプーの開発がスタート。

手荒れは、業界特有の悩みであった。

一日に何人ものお客様をシャンプーするサロンのスタッフにとって、手荒れは乗り越えないといけない試練のようなものだった。

その当時、弊社はある大手鉄道会社の子会社と「環境と人」をテーマにやさしい洗剤の開発に取り組んでいた。

ある列車の名前が洗剤の商品名になるかどうかの大切な時期の頃だったと思う。その功績を知っていた品川理事長から白羽の矢が弊社に飛んできたわけである。

しかし、列車を洗うのと、人の頭を洗うのでは全く違う。果たして、できるのかどうかわからないが、とにかく開発の取り組みは会社としての財産になると研究をスタート。

まずは、シャンプーの市場調査。業界専用、市販のものも含めると膨大な種類のシャンプーがあった。それを洗浄成分で大きく分類し、旧指定成分や配合成分(コーティング剤など)などで分類してみた。ポートフォリオの作成である。

そこで、その分類をもとに手荒れの程度を調査。

組合の理事や組合員のサロンさん、知り合いの美容室さんに協力してもらい調査をすると、あることに気づいた。

それは、サロンさんの9割以上は市販のシャンプー(合成シャンプー)と同じ洗浄成分か、その頃から増え始めていたアミノ酸シャンプーを使用している。

どちらのシャンプーの導入店も手荒れの悩みは多かった。

しかし、ある少数派ではあるが、ある洗浄成分を導入しているサロンさんだけが手荒れの人が少ない。

その洗浄成分とは「石鹸」であった。サロン業界でも昔は石鹸でシャンプーしていた。その頃は今の人達ほど手荒れの人は少なかったという。

試しにA,B,Cの3種類の試作品を組合に持って行き、手荒れの方々に試してもらった。

Aは合成シャンプー、Bはアミノ酸シャンプー、Cは石鹸シャンプー。

組合には先入観を避けるため、中身については何も情報を与えず、どのシャンプーが一番手に楽であるかと質問を投げかけた。

調査どおりの反応が返ってきた。

Cの石鹸シャンプーである。
開発責任者の私は「よっしゃ。これや」と喜んだのもつかの間。
それと同時に使い勝手が一番悪いのもCの石鹸シャンプーであり、髪を洗ったときに「きしむ」のでお店では使えないという厳しい意見をいただいたのである。

そこからが苦労の連続であった。
いろいろと「きしみ」を抑える工夫をしては試作品を組合に届けテストをしてもらう。

その結果を工場側に伝え、また対策を講じてもらうの繰り返し。
1年半ほどが過ぎたとき、あることがヒントになり、大きく「きしみ」を改善。試作品を持って行くと、やっと組合側からこれならサロンワークでも使えると合格をいただいた。

早速、商品化し販売をスタート。業界新聞にも大きく取り上げられ、また有名な業界紙にも取り上げられ、順調なスタートで販売は進んだが、そこにはもう一つの大きな壁が!

それは「香り」と「とろみ」の問題だった。

肌にやさしいをコンセプトに開発を進めていたので、「香り」や「とろみ」は度外視の部分があった。
しかし、サロン来られるお客様にはそれでは満足していただけなかった。料金をいただいて施術するわけなので、特に「香り」は重要なファクタであることがあとになってわかってきた。

それはリピート率を見ているとよく理解できた。導入していただきたサロンさんからのリピートがほとんどない。これは優しいシャンプーに関心を持って導入していただいたものの、使い勝手が悪く、香りも良くないことの裏づけであった。

販売1年後、改良に着手。

肌にやさしいというコンセプトはぶれずに「香り」と「とろみ」の改良。
「とろみ」は石鹸成分ですぐに解決したが、問題は「香り」であった。

石鹸は特有の原料臭があり、植物系の香りをつけても原料臭と混じり、良い香りをつくることは難しかった。

しかし、肌荒れにつながるような香料は使いたくない。工場のスタッフもいろいろと研究を重ねてくれた結果、十数回の試作を経てロクワットシャンプーの改良型ロクワットシャンプーネオが誕生した。

ありがたいことに業界新聞にもまた大きく取り上げられ、近畿圏を中心に12府県の理容組合から推薦商品として認定を受け、導入店舗も2020年3月現在で4000店舗を超えるまでになった。

オンラインショップのトップページ上段にある「お客様の」の声にあるように、全国のたくさんの方から感謝の声をいただくと、商品立ち上げの時の苦労も今では思い出話になり、さらに良い商品を業界を通じて発信していきたいと社員の意気も上がっているので、このシャンプーは弊社にとってはサロン業界での礎になるものである。

開発には終わりがないので、これを最後まで読んでくださった方々も、弊社商品に対するご要望があれば、コメントをいただけると幸いです。

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